住民の暮らしと融合した「水と踊りのまち」郡上八幡
長良川の支流、吉田川沿いに発展した郡上八幡。
ここは長良川や奥美濃から流れる吉田川、小駄良川などの3つの川が合流し、いくつもの泉が湧き出ています。
その豊かな水に恵まれたこのまちは郡上藩の城下町として江戸時代から栄えてきました。
この城下町では400年の歴史と共に歌い踊り継がれてきた郡上おどりが現在も延べ2か月間32夜に渡って開催されており「日本で一番長い盆踊り」として「日本三大踊り」の一つに数えられています。豊かに湧き出す名水など大自然と伝統を大切にしている郡上八幡の魅力をぜひ感じてください。
郡上おどりGUJO ODORI
400年の歴史と共に
歌い踊り継がれてきた郡上おどり
7月中旬から9月上旬まで延べ2か月間32夜に渡って開催される郡上踊りは「日本で一番長い盆踊り」として、「日本三大踊り」の一つに数えられています。
とりわけ盂蘭盆会(お盆)の4日間は朝までの「徹夜踊り」が開催され、期間中で最大の盛り上がりを見せ、夜明け近くまでお囃子や下駄の音が鳴り響きます。
郡上踊りの最大の特徴は「見る踊り」ではなく「踊る踊り」であること。江戸時代に城主が士農工商の融和を図るため、身分に関係なく無礼講で踊ることを奨励したためで、現在でもそれが伝統となっています。
好きな時に踊りの輪に加わり、好きな時に抜けられる…そんな自由さが郡上踊りの魅力です。
東京のオシャレな街の代表格である青山は、その昔郡上八幡城主の青山氏の江戸藩邸があった場所であり、その名前が今も街の名前として残っています。その縁もあって青山の外苑前では毎年郡上踊りが開催され大変な賑わいを見せています。
郡上八幡城GUJO HACHIMAN CASTLE
郡上八幡のシンボルとしてそびえる
日本最古の木造再建築城
郡上八幡のシンボルとしてそびえるのが『郡上八幡城』(別名積翆城)です。日本最古の木造再建築城であり、作家司馬遼太郎氏が『街道をゆく』で「日本で最も美しい山城」と称えた日本最古の木造再建城です。永禄2年(1559)に遠藤盛数が砦を築いた後、稲葉、遠藤、井上、金森、青山氏と城主が変遷。昭和8年に再建されましたが、石垣だけは当時のままで残っています。
郡上八幡城は城下のいたるところから眺めることができ、夜ライトアップされたお城が暗闇に浮かぶ姿は何とも言えない風情を醸し出しています。
また秋の紅葉シーズンに山頂の木々が真っ赤に染まり、その中に浮かぶお城の姿が「天守炎上」と評されて多くのメディアに取り上げられています。期間中は紅葉まつりも開催され多くの観光客が訪れ一番の観光名所となっています。
さらに冬の条件の整った日にしか見れない現象ですが、朝霧の中に郡上八幡城が浮かんで見える姿が「天空の城」として写真に収められ、こちらも全国で話題になっています。
この郡上八幡城は標高354メートルの通称「城山」の頂上に立っており、お城へは山の登り口から徒歩で30分程度で登ることができます。木々に覆われたつづら折りの山道を登って山頂に上ることができ、一汗かけるくらいの丁度良い良い散策コースです。頂上からは魚の形に広がった郡上八幡の町並みを眺めることができ、吉田川を中心に栄えるまちの様子が一望できます。また天守閣の中も見学ができ、木造4層5階建の天守閣からの眺めはさらに壮大な景色です。
宗祇水SOGI SUI
「日本の名水100選」第一号
「宗祇水(白雲水)」は、当時の環境庁が選定した「日本の名水100選」の第1号に選ばれた名水が湧き出る泉で、名水スポットとなっています。
文明3年(1471)に連歌の宗匠飯尾宗祇が、当時の篠脇領主東常縁から古今伝授を受け帰京の際に、この泉のほとりで二人が歌を詠み交わしました。
江戸時代には、郡上藩主によって泉の保存と古今伝授が顕彰され石の水場が整備されて現在に至っています。石畳と清水橋の赤い欄干も絵になる風景です。祠から湧き出た水は、飲料用、食料洗浄用、洗い場とそれぞれ用途が決められた三段の水槽を流れ落ちるようになっており、水を大切に使う昔からの仕組みがうかがえます。
いがわ小径IGAWA LOAD
清流に泳ぐ巨鯉の群れは必見
旧庁舎記念館の脇を流れる用水沿いに続く幅1m、長さ190m程の通り道を「いがわ小径」といいます。昔から地元の人たちの「共同洗い場」としても利用され、現在でもちょっとした洗濯物のすすぎや、漬物時期の白菜洗いなどに使います。また、水路には有志で管理する虹マス、岩魚、あまご、鯉、鮎などが元気に泳ぎ、道行く人の目を楽しませてくれます。小径の終点で石段を降りると「吉田川親水遊歩道」へと続きます。特に丸々と太った巨鯉が群れで泳ぐ姿は圧巻です!
新橋飛び込みDIVE INTO THE RIVER
TVで幾度も紹介された夏の風物詩
川ガキと呼ばれる地元の子どもは、小さい頃から夏は川で泳ぐのが当たり前。飛び込みも、大きな岩から順に移りながら練習して、「三角岩」が飛べたら「学校橋」に挑戦です。
そこが飛べたらいよいよ最終地点が「新橋」からの飛び込み。橋から川面までは12m。夏の風物詩ともなりましたが、観光の折には勇気を奮って挑戦する川ガキにエールを送ってください。
やなか 水のこみちYANAKA LOAD
8万個の玉石を敷き詰めた
郡上八幡の風情が凝縮された路地
新町商店街から稲荷町に抜ける玉石を敷き詰めた路地が「やなか水のこみち」です。脇には水路が流れ、子供たちの恰好の遊び場ともなっています。名前に因んで使われた玉石の数はなんと8万個で、長良川と吉田川の自然石だそうです。水の流れが町の風景に溶け込んだ風情のあるオススメ観光スポットです。
古い町並みOLD TOWN
下駄を鳴らして歩きたい
職人町・鍛冶屋町・柳町界隈
郡上八幡の古い町並みといえば必ず紹介したくなるのがこれらの町内です。
その名の通り、江戸時代に城下の職人や鍛冶屋が軒を連ねていたのが町名の由来と言われています。
大火を教訓に防火のために整備されたきれいな用水や、軒先にぶら下がった防火バケツが観光客の皆さまの目には新鮮に映るようです。
川沿い散策路RIVERSIDE LOAD
吉田川に沿って続く石畳の散策路
吉田川親水遊歩道
いがわ小径の石段を降りると、吉田川に沿って石畳の散策路が、ずっと郡上八幡の南端、駅の近くまで続きます。涼しい川風を頬にうけながら、きれいな川面と移り変わる景色をのんびりと眺めながらの散策は、きっと他では得られない感動を体験していただけることでしょう。川下から歩くコースでは、ずっとお城を眺めながら歩くことができるのでオススメです。
この吉田川や長良川の川石の苔を食べて育つ「鮎」は、その育った川によって味が違うと言われております。郡上で育つ鮎はその味の良さでも全国に知られており「清流長良川の鮎」として長良川の生態系とその鮎についての里川システムが世界農業遺産に認定されています。
旧庁舎記念館FORMER GOVERNMENT BUILDING
昭和11年に建てられた国の登録文化財
旧庁舎記念館は町の中心地にあり、平成6年まで八幡町役場として使われていた洋風建築の建物です。昭和11年に建てられたこの施設は、「郡上八幡旧庁舎記念館」として生まれ変わり、国の登録文化財の指定を受けて町の総合観光案内所として活躍しています。郡上八幡観光協会もこの中にあり、観光の第一歩はここへ立ち寄られると便利です。
郡上八幡博覧館GUJO EXPO
シーズンオフでも手軽に体験できる郡上おどり
郡上八幡の伝統文化を始め、「水」「歴史」「わざ」「郡上おどり」のコーナーがあり、郡上八幡のことがコンパクトに詰まった施設が博覧館です。短時間で郡上八幡を知っていただくには打ってつけです。ここでは郡上おどりの実演を毎日定時で開催し、スタッフが楽しく分かりやすく実演と紹介をしていますので、郡上おどりに興味のある方は是非どうぞ。